2025/02/27 17:31
当店PBタムデュー8年(シェリー樽熟成ウイスキー)とアンティケオロロソ(シェリー酒)を飲み比べてみました

今回は、ウイスキーとそのウイスキーの熟成に使用された樽に入っていたシェリー酒を飲み比べてみたいと思います。
みなさんご存知の通り、ウイスキーは木製の樽で数年熟成されます。各国によってそのその規定は様々ですが、スコッチウイスキーではオーク樽で3年以上と定められています。「シェリー樽熟成」というワードを聞いたことがあると思いますが、これはシェリー酒を貯蔵していた木製の空樽にウイスキーを詰めて熟成することを言います。
熟成にシェリー樽を使う蒸溜所は、マッカランやグレンドロナックなど歴史の古い有名な蒸溜所がありますが、先日発売した当店のプライベートボトル「タムデュー8年」もシェリー樽で後熟しております。
「シェリー樽熟成」と一言で言っても、シェリー酒の種類も違えばその木材も違うので出来上がりのウイスキーは千差万別です。
当店のPBタムデューは「フェルナンドディカスティージャ(以下FDC)」というスペインのボデガのオロロソシェリーが入っていた樽で熟成しています。飲んでいただいた方は感じてもらえたと思いますが、他のシェリー樽熟成ウイスキーとは違うフルーツケーキのような香ばしく、ドライデーツのような濃厚な甘みを感じます。この芳醇な香りや味わいのルーツであろうその熟成樽が気になってFDC社のオロロソシェリー自体を取り寄せて飲んでみました。はたして、そのオロロソシェリーの風味に当店PBタムデューの香りの秘密があるのか探ってみたいと思います。
色は濃いめの琥珀色ですね。シェリー樽熟成のウイスキーもこんな感じの琥珀色をしていますが、オロロソがこんな色になるのは樽の影響というより熟成工程の酸化によるようです。
香ってみます。開けた途端半径1メートルぐらいに香りが広がりますね。バルサミコ酢のような濃厚な酸味。ちょっとカシューナッツやアーモンドのようなオイリーなナッツ感もあります。霧の中の湿った枯葉のようなアーシーでウッディな香りも広がります。燻された香ばしい烏龍茶のような香りもします。ボキャブラリーが足りませんが、一言で言うなら「良い香り」です。
飲んでみます。優しいヨーグルトのような酸味に、アーモンドの皮のような渋みを感じます。口当たりは優しくさらっとしており、鼻の奥の方に優しい酸味が続きます。
FDC社のオロロソシェリーを飲んだ後に改めて当店PBタムデューを飲んでみます。やっぱり良い香りですね。ラベルに描かれたイメージの通りの香りです。ちなみにこのラベルは、当店のテイスティングコメントを生成AIに画像化してもらいました。フルーツケーキのような香ばしく甘い香りに生クリームのようなオイリーな甘み。イメージの背景にあるほんのり濃いめの紅茶の香りを感じます。オロロソ樽熟成の特徴の全てが粒だって濃く現れています。
比較してみると、紅茶やナツメグのようなオリエンタルな香りに生クリームのようなオイリーな甘い香りは共通しているところありますが、タムデューの中に感じるケーキのような甘い香りはオロロソの中には強く感じませんでした。
この魅惑的なタムデューの香りは、いろいろなものが重なり合って人間の鼻がそう感じさせているんですかね。深くて面白いです。皆さんにも是非体験していただきたい飲み比べだと思います!
ちなみにFDC社アンティケオロロソシェリーはBAR鶴亀店内でお飲みいただけます。
なくなり次第終了となりますので気になる方はお早めに!