2025/02/04 17:01

(ちょっと長文です。)

昨年、レジェンド、ビリーウォーカー氏自らご説明頂くテイスティングセミナーに参加してきました。

その際に、今回日本市場に発売された「グレンアラヒー12年 オロロソ&PXシェリーカスクフィニッシュ」を先行して試飲させていただきました。

待ちに待ったそのウイスキーが先日発売されました。

そこで改めてフラッグシップの12年と飲み比べてみたいと思います。

グレンアラヒー蒸溜所は、スペイサイドにある蒸溜所で、2017年にペルノリカールよりビリーウォーカー氏が買い取りました。ペルノリカール時代にはそのほとんどがブレンド用の原酒に使われていたので、シングルモルトとしては皆無でしたが、オーナーが変わってからシングルモルトとして新商品がリリースされ注目が集まっています。それからまだ7年しか経っていないのに、ここ数年のグレンアラヒーの人気を見ると、ビリーウォーカー氏の手腕は恐ろしいぐらいですね。

フラッグシップの12年の構成原酒としては、オロロソ樽45%、PX樽40%、アメリカンオークの新樽10%、ボルドーの赤ワイン樽5%だそうです。セミナーでは、各々の構成原酒をテイスティングしてから、各々の原酒の特徴が12年にどのように生かされているかという内容でした。

まずはオロロソ原酒。ビリー氏曰く、ウイスキーの熟成には様々な種類の樽が利用されているがオロロソ樽こそが、キングオブカスクだと言っていました。リッチでディープ、デーツやイチジクのような濃厚な甘味が広がり、クリスマスケーキのようと例えていました。

次にPX樽。ビリー氏は、若い頃はPX樽こそが一番だと思っていたそうです。PX樽フィニッシュのウイスキーはよくありますが、確かに香りが特徴的なので濃厚なベリー系の甘酸っぱさがより引き立ち、スパイシーでバタースコッチのような甘い香りがします。ビリーウォーカーの真似をしてるわけではありませんが、私個人的にもPX樽熟成が特徴が出やすく一番好きな熟成樽でしたが、今はオロロソ樽が一番好きです。

次にヴァージンアメリカンオーク。カカオだとかバニラのような甘い香りが特徴的で、ウイスキーの大部分がアメリカンオークで熟成されています。ただ特徴が出やすく、特にヴァージンオークだと使う量が難しいと言ってました。確かにアメリカンオーク樽、特にバーボン樽熟成は多く利用されていますが、出来上がりのウイスキーの美味しさは一番よく差が出て、開けた途端カカオやバタースコッチのような香ばしく甘い香りが広がるものもあれば、あまり熟成感を感じないものもあります。そのあたりの扱いの難しさも含めて魅力的なのかもしれません。

最後にワイン樽。当店のお客さんでも好みが分かれる樽ですが、甘酸っぱさと甘渋さが相まって、強すぎるとエグみを強く感じてしまい、隠し味的に使うのはいいが使い方が難しいと言っていました。

その背景を頭に入れつつ12年を飲んでみたいと思います。

色は濃い茶褐色ですね。シェリー樽が熟成のメインなのでその特徴がよく出ています。オロロソとPXの香りはもちろんですが、アメリカンオークは、少しでも特徴が出やすいと言っていましたが、確かに混成比率が10%の割にバニラのような甘い香りが出てますね。そして、赤ワイン樽からかほんのり酸味を感じてそれが全体をまとめてる隠し味的な雰囲気を感じます。5%しか使ってないと言っていましたが、そのブレンド比率の匙加減は繊細で絶妙なところがあるのでしょうね。

そして、今回発売された「グレンアラヒー12年 オロロソ&PXシェリーカスクフィニッシュ」

アメリカンオークで5年熟成した原酒をオロロソ樽とPX樽に移し替えて、6〜7年熟成した原酒をオロロソ75%、PX25%の比率でブレンドさせています。オロロソのクリスマスケーキのような甘い香りにイチジクなどのドライフルーツを思わせる濃厚な甘み、バタースコッチのようなオイリーさと甘みは元々のアメリカンオークからの香りでしょうか。仲間と一緒に飲みながら、「南国フルーツもいるね」なんて話しながら飲むのも楽しそうです。

最後になりますが、ビリーウォーカー氏は、スペイサイドで1番の蒸溜所にしたいとおっしゃってました。もう80歳過ぎだそうですが、何事も年齢のせいにして足を止めてはいけませんね。私も頑張ります!

是非、皆さんも飲んでみてください!

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